眼瞼下垂の修正手術とは

眼瞼下垂とは、上まぶた(上眼瞼)が下がり、まぶたが重く感じたり、目が開けづらくなったりする状態を指します。治療法としては、眼瞼挙筋を調整する「挙筋前転術(または挙筋短縮術)」や、上まぶたの皮膚を切除する「眉下切開術」などが一般的に行われ、これらの手術によって多くの患者様で症状が改善されます。
しかし、一部の患者様では、術後に目の開きが不十分なまま残るケースや、目の開きに左右差があるといった見た目の問題(整容的な問題)が新たに生じることがあります。このような場合には、再度手術を行う「眼瞼下垂の修正手術」によって、まぶたの機能的・整容的な改善を図ることが必要になってきます。
眼瞼下垂の修正手術が必要な事例
眼瞼下垂の手術後に期待した効果が得られない場合や、見た目や機能に問題が生じた場合には、修正手術が行われることがあります。以下は、実際に修正手術が必要となることの多い代表的なケースです。
目の開きが不十分なまま残る
眼瞼下垂の手術を受けたにもかかわらず、まぶたの開きが十分に改善されず、視野の制限が続く状態です。原因としては、挙筋前転術や挙筋短縮術の効果が不十分だった、あるいは術後に瘢痕拘縮や筋腱の再弛緩が生じた可能性が考えられます。
こうした場合には、再度の前転術や他の術式によって機能の改善を図ることがあります。
まぶたが開きすぎてしまう
手術により、まぶたが必要以上に引き上げられてしまい、常に目が開きすぎた状態になることがあります。この状態では、見た目の違和感に加えて、目の乾燥、痛み、眼精疲労、不眠などの症状を引き起こすことがあります。
開きすぎたまぶたを適切な高さに調整するためには、再手術での調整が必要です。
目の開きに左右差が生じている
両目の手術後にまぶたの開き方に明らかな左右差が生じることがあります。見た目に違和感が生じるだけでなく、視界のバランスが乱れることによる眼精疲労や集中力の低下にもつながることがあります。こうした場合には、左右のまぶたの開きをバランスよく整えるための修正が求められます。
まぶたの凹み・へこみが目立つ
眼瞼下垂の手術の際に、皮膚や眼輪筋、脂肪を過剰に切除してしまうと、まぶたが痩せて見えるような凹みやくぼみが生じることがあります。このような場合には、ヒアルロン酸注入や脂肪移植、再建手術などによって、外見の改善を図ることが可能です。
眼瞼下垂の修正手術はいつ行うべきか

眼瞼下垂手術の後は、一時的な腫れや組織の癒着により、まぶたの開き具合や形に左右差が生じることがあります。こうした状態は術後すぐには安定せず、通常は約3〜6か月かけて腫れが引き、まぶたの状態が徐々に落ち着いてきます。
そのため、修正手術の可否を判断するタイミングは、原則として術後6か月以上が経過してからが基本とされています。
ただし、黒目がまぶたで隠れてしまっている、視野が著しく狭くなっているなど、明らかな機能的な問題がある場合には、術後の経過が6か月未満でも修正手術を検討することがあります。特に、眼瞼下垂に伴っていた頭痛や肩こりといった症状が再び現れているような場合は、早めに医師に相談することが重要です。
眼瞼下垂の修正手術の難しさとリスク

眼瞼下垂の修正手術は、初回の手術と比較して難易度が高いとされています。その主な理由は、初回手術による瘢痕の形成や組織の癒着により、解剖学的構造が不明瞭になり、本来の組織を見分けることが難しくなるためです。
特に、眼瞼挙筋や挙筋腱膜といった重要な組織が癒着している場合には、慎重に剥離しながら同定する必要があり、手術操作はより複雑かつ繊細になります。また、前回の手術で血管が損傷しているケースでは、再手術時に出血のリスクが高まる可能性もあります。
このような背景から、眼瞼下垂の修正手術では、豊富な手術経験と高度な技術を有する専門医による対応が重要です。
さらに、修正手術では、すでに手術を受けた部位に再度アプローチすることになるため、組織への負担が大きくなりやすく、術後の腫れや内出血が強く出る場合があります。個人差はありますが、ダウンタイムが初回手術よりも長引く傾向があるため、回復にはより時間を要する可能性があることを、事前に理解しておくことが大切です。
当院の修正手術の特徴
形成外科専門医によるオーダーメイドの再手術
当院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が、他院での眼瞼下垂手術後に症状が改善されなかった方や、仕上がりにご満足いただけなかった方を対象に、丁寧なカウンセリングを行い、それぞれの状態に合わせたオーダーメイドの再手術プランをご提案しています。
形成外科は、まぶたを含む顔の繊細な構造に精通し、再建・修正手術を専門とする診療科です。過去の手術によって生じた瘢痕や左右差、開瞼(まぶたの開き)の不足といった問題に対し、機能面と整容面の両方からアプローチし、自然で綺麗な仕上がりを目指します。

日帰りで受けられる修正手術
眼瞼下垂の修正手術は、高度な技術を要しますが、当院では原則すべての手術を日帰りで行っています。術後の経過観察も、数回の短期通院で完了するケースが多く、仕事や日常生活への支障をできるだけ少なく抑えられるよう配慮しています。

傷跡が目立ちにくい縫合技術
前回の手術による傷跡やまぶたの左右差が気になる方に対しても、形成外科専門医の高い縫合技術を活かし、丁寧な修正手術を行っています。当院では、極細の糸を使用し、まぶたの自然なラインに沿って繊細に縫合することで、傷跡が目立ちにくい仕上がりを追求しています。

局所麻酔の痛みにも配慮
再手術では、前回の手術による組織の癒着などにより、処置が複雑になることがあります。当院では、手術の安全性だけでなく、麻酔の段階から痛みの軽減にも細やかに配慮しています。
極細針の使用に加え、局所麻酔薬に7%メイロンを加えることで、通常酸性に傾きやすい麻酔液を中性(pH7)に近づけ、注射時の痛みを可能な限り和らげる工夫を行っています。

修正手術の流れ
初診・術前検査
まず初診では、これまでの手術歴や現在の症状、経過などを詳細にお伺いし、まぶたの状態を丁寧に診察します。前回の手術による瘢痕や癒着の程度、左右差、まぶたの開き具合などを総合的に評価し、どのような修正が可能かを医学的に判断します。
そのうえで、手術が適応となるかを判断し、適応がある場合は、患者様のまぶたの状態に応じた手術方法をご提案します。治療内容にご納得いただけましたら、手術日を決定します。
手術
ご来院後、まず心電図や血圧計を装着し、全身状態を確認したうえで、まぶたの手術部位を丁寧に消毒し、手術を開始します。
痛みについては、最初に行う局所麻酔の際にわずかに感じる程度であり、手術中はほとんど痛みはありません。当院では、極細の注射針を使用し、麻酔薬の注入速度にも配慮することで、麻酔時の痛みをできるだけ軽減しています。
手術後の診察
手術後約1週間に抜糸を行うため、通常は1週間後にご来院いただきます。その後は、術後の経過を確認するため、1カ月後・3カ月後・6カ月後に診察を行い、傷の治り具合やまぶたの状態をチェックします。
※術後の診察回数は、患者様の状態によって異なる場合があります。

06-4309-6115
